Foto © Takumi Ota
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米洲ギャラリー

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Sede
東京, Japan
Anno
2016

米洲ギャラリーは、今なお職人文化が息づく東京の下町、台東区に存在する。
1970 年代に建設された米洲ビルの1階に、エントランス、ギャラリー、ショールームの3つの複合的な機能を持つスペースをデザインすることが求められたプロジェクトである。米洲は、ひな人形・五月人形の「無形文化財」に指定された人形師、原 米洲氏の技術を伝えるブランドである。

内部には性格の異なる2つの空間が併存する。
3.8M の高い天井を持つ手前のエントランス、ギャラリー部分では、可動式の什器が置かれ、ペンダント型のスポットライトで人形を近くから照射することで、陰影の印象的な展示としている。
その向こうには、浮遊しつつ連なる展示棚が、象徴的なショールーム空間に重層している。ショールームでは、長い歴史を持つ米洲のお人形が、まるで屏風絵や絵巻物の金雲の向こうに垣間見える物語のように、それぞれの小さな世界に浮かんでいる。金属で組み合わされた展示棚の床面(舞台)が、たなびく金雲のように漂流しながらそれぞれの世界を取り囲む。浮遊感を演出しつつ、たわみを制御するため、展示棚の厚みはそれぞれ計算により調整されている。奥の壁は強い明るさの間接光で照らし、光の雲に包まれる優しい陰影の表情としている。金属の直線的な表情と、柔和な人形のお顔が不思議な調和を見せる。

異なる性質をもつ2つの空間がそれぞれ浮遊する小世界によりシームレスに繋がっている。手前と奥との陰影の違いで奥行きを感じさせる照明計画としている。
ファサードからは、ドットの濃淡を用いて現代的に再解釈された金雲や朽木雲の文様を通して光が透過し、店全体を柔らかく照らしている。

Project credits:
共同設計:ATELIER O
照明デザイン:永島和宏/ CHIPS LLC + 亀岡夏葉 / 株式会社ライティング創
プロデューサー:出村亜希子/株式会社イーソーコ総合研究所
施工:株式会社イーソーコ総合研究所+株式会社アーバンプラン
施主:株式会社米洲
Photo:Takumi Ota, Ryuichi Sasaki
場所:東京都台東区台東2-3-12
延床面積:80.70m2
完了:2015年12月

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